睡眠で記憶力が向上する仕組みと忘れない方法とは

睡眠には記憶と脳に定着させる働きがあります

睡眠は、疲れた脳と体を休ませるだけではありません。

睡眠中には、記憶の整理や保存が行われています。

記憶力を高めるにはどのような眠り方をすればよいのでしょうか。

睡眠と記憶の関係性と記憶力をアップさせる眠り方を解説していきます。

時間による睡眠の質の違いとは?

睡眠の周期、レム睡眠とノンレム睡眠、徐波睡眠

睡眠は起きている状態(覚醒)からレム睡眠に入り、レム睡眠とノンレム睡眠を3~5回くりかえします。

ノンレム睡眠からレム睡眠までを1周期としてしています。

1周期は60~110分で、平均90分くらいです。

レム睡眠

レム(REM:Rapid Eye Movement)睡眠は、眼球の急速運動をともなう睡眠であることから名付けられています。

レム睡眠時は、脳への血流量は多く大脳皮質の機能は活性化しています。一方、体の筋活動は低下します。

このような働きによって、レム睡眠は脳より体を休める睡眠とされています。

ノンレム睡眠

ノンレム睡眠は、眼球の急速運動をともなわない睡眠で、とくに脳の疲労回復に大きな役割を果たしています。

ノンレム睡眠時は、全身の筋活動が活発で、脳活動は低下します。

ノンレム睡眠は、脳波によってステージ1~4までの4段階に分けられています。

ノンレム睡眠における徐波睡眠

ノンレム睡眠は、脳波を指標として4段階に分類されています。

  • ステージ1:α波が50%以上
  • ステージ2:睡眠紡錘波が出現
  • ステージ3:2hz以下、75μ以上のθ波が20%以上
  • ステージ4:2hz以下、75μ以上のθ波が50%以上

α(アルファ)波はリラックスしている状態で、θ(シータ)波は深く眠っている状態です。睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは)が出現すると、筋活動が落ち着き呼吸も静かになり深い眠りに移行していきます。

睡眠は、ステージ1~4の順番で深くなっていきます。ステージ3と4は、徐波睡眠と呼ばれる睡眠段階です。

徐波睡眠はとくに眠りが深く起きにくい時間帯です。

この徐波睡眠が、記憶力の向上にとって重要な役割を果たしています。

睡眠中の記憶の定着効果

近年の睡眠に関する研究では、睡眠と記憶力に強い相関関係があることが認められています。

記憶や勉強した事柄についてテストを行うと、睡眠前の得点より睡眠後の点数が高くなるのです。

このことから睡眠は、記憶を維持するだけでなく、記憶や学習を進展させるとされています。

短期記憶の長期記憶への統合や記憶の固定に睡眠が深く関係しているとの考えられているのです。

参考:時間にもとづく記憶、短期記憶と長期記憶の違いとは?

そんな眠りですが、睡眠段階ごとに効果の違いがあります。

特に、記憶力に深く関係しているのが、レム睡眠とノンレム睡眠中の徐波睡眠です。

記憶の種類によって、固定される睡眠段階が異なります。

  • 陳述記憶:徐波睡眠で長期記憶として固定
  • 非陳述記憶(手続き記憶):レム睡眠で長期記憶として固定

参考:記憶の内容による分類、陳述記憶と非陳述記憶とは?

陳述記憶は徐波睡眠で定着

記憶には、言葉で表すことのできる陳述記憶と、体で覚える手続き記憶などの非陳述記憶があります。

ある実験で、単語を覚える課題を行った後に2つのグループに分けてテストを実施しました。

単語の暗記は、意味記憶に分類されます。意味記憶は、陳述記憶の一種で何度も繰り返し学習することで長期記憶として保存されます。

ひとつめのグループは、徐波睡眠だけの仮眠をとったグループ。もうひとつは、仮眠をとらず覚醒した状態のグループです。

テストは、課題終了後と6時間後の2回実施しました。再テストの結果、仮眠をとったグループの成績は寝ていないグループより向上しました。

この結果から、試験や資格の勉強に重要な陳述記憶の向上には睡眠、睡眠の中でもノンレム睡眠の徐波睡眠が重要だと判明しました。

手続き記憶はレム睡眠で定着

手続き記憶とは、車や自転車の運転、楽器の演奏、水泳など体で覚える記憶です。非陳述記憶とも呼ばれています。

手続き記憶の定着と睡眠との関係を調べるために実験が行われましまた。

手続き記憶との課題として、鏡に写った紙を見て、その図形をなぞる練習をしました。

練習後にテストを行った後に、3つのグループに分けて10時間後に再テストを行いました。

ひとつめのグループは、睡眠をとらず起きたままのグループ。ふたつめは、徐波睡眠のみをとったグループ。最後は、徐波睡眠とレム睡眠(人間は、睡眠時には必ずノンレム睡眠(徐波睡眠)から導入していきます。レム睡眠だけとることはできません。)をとったグループです。

再テストの結果、起きたままのグループの成績は下がりました。睡眠をとった2つのグループにおいては、徐波睡眠のみのグループの成績は変化がありませんでした。

レム睡眠と徐波睡眠をとったグループのみ成績が向上しました。

この結果から、手続き記憶(非陳述記憶)は、レム睡眠によって向上すると考えられています。

海馬からの記憶保存にも睡眠が効果的

記憶に深く関与する海馬も睡眠によって活性化します。

海馬には、エピソード記憶である場所を記憶する細胞があり、空間を認知する機能があります。

場所の記憶に関するテストとおこなうと、その後の睡眠時における徐波睡眠中にに場所記憶に関与する細胞が活性化(海馬への血流が促進される)します。

海馬は、日中の覚醒時に学習した内容を一時的に保管しています。睡眠時の、特に徐波睡眠時に長期記憶として大脳皮質へ送られていると考えられています。

参考:海馬のはたらきと記憶力向上との関係とは

参考:海馬の働きを高めるには、不足しがちなDHAを補えるサプリメントがおすすめ

「睡眠で記憶力と学力が向上する仕組みと方法を解説」まとめ

眠りには、記憶力を向上させる効果があります。

勉強など暗記が必要なら、ノンレム睡眠中の徐波睡眠が多く取れるように寝れば記憶が定着しやすくなります。

平均的に徐波睡眠は入眠後から、90分後、3時間後、4時間30分後と90分周期で訪れます。

寝るときには、この90分周期を意識して眠りにつくと記憶力が向上効果が高まります。

睡眠の周期的には、6~7時間くらいが記憶を固定するのに適しています。それ以上眠っても問題はありませんが、徐波睡眠は訪れず、浅い眠りになります。

ぜひ睡眠の周期を利用して、記憶力を高めてみてくださいね。

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